本格的なつむぎ物語

おかあさん

2020年02月10日 17:21


本場奄美大島紬(7)
紬ができる工程に
まずこの釜が必要です
この釜で
下記のチップを
12時間くらい
煮て一晩置いて
水分を蒸発させて
後日再び煮つめて
テーチ木のタンニンを含んだ
濃い茶褐色煎液の中で
糸を揉んだり液を含めた
糸をたたきつけたりして
煎液を替えながら
約20回繰り返すうちに
糸は次第に赤褐色色に染まります
これを泥田で染めると
タンニン酸と泥の鉄分が化合して
糸が柔らかくこなされた
カラスの濡れ場色に染上がるのです





染料となる植物テーチ木
(シャリンバイ)と言って
奄美大島群島や台湾などに繁茂する
つややかな葉を持つ常緑樹です
4月5月頃にはピンクがかった白い梅の
様な花をつけ、秋には紫のちいさな実が
鈴なりになります
この辺りでは街路樹に植えられてもいます
この木の幹や根を小さくチップ状にして
上の大きな釜で煮つめます

この草木染の作業が
細い糸に丹精込めた仕事により
なによりも高価で 気持が込められた
一枚になるのです
皆さまどうぞ一代二代と伝わる大島紬を
ぜひご覧くださいませ
(資料室町加納許可済)

青い屋根の普通のちいさな家屋から発信

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